迷ってるなら観ない方が良い!テイラースウィフト『ミスアメリカーナ』【感想ネタバレ】

迷ってるなら観ない方が良い!テイラースウィフト『ミスアメリカーナ』【感想ネタバレ】

1月31日配信スタート

日本人にも多くのファンを持つTaylor Swift(テイラー スウィフト)!

先日、彼女のドキュメンタリー映画『Miss Americana (ミス アメリカーナ)』のNetflix配信がスタート

「見たけど泣いた!最高だった!」という方も多かったようです。

ですが、観ようかどうか考え中の人もいるはず。

今回は、そういう方に「迷ってるなら観ない方が良い」理由と感想をお伝えしていきますね。

ちなみに、当サイトはNetflixへの加入を勧めるものではありません!

この先は「ネタバレ」もありますのでご注意ください!

また、記事内のTaylorの写真は『ミス アメリカーナ』のものではありませんのでご安心ください。

映像や写真を使ったネタバレは一切ありませんが、大体のあらすじは分かる内容になっています。

その理由は?

「Netflixと契約してお金を払うまでの価値はある?」

「作品として見応えがあるなら観たい」

「Taylorのことは好きじゃないけど、観たら好きになる?」

といった事が考えられますが、実際どうなんでしょうか?

既出映像が多すぎる

まず、私が観終わった時に驚いたことがあります。

これまでのTaylorのライブや、グラミー賞などアワードの映像、本人は映っていないニュース番組など、既出のものが多すぎるんです。

それらは、YouTubeにアップされているようなものです。

ストーリーを展開するために必要なのかもしれませんが、さすがに尺が長すぎます。

受け取り方によっては「使い回し」と感じる人もいるでしょう。

そして、作品の大部分はこれまでの世間のTaylorへの評価と、それに対する彼女のリアクションです。

ですが、「え!そう思ってたんだ!」というような事がほとんどなく、多くの人がすでに知っていることばかり。

知らない人でもネットで過去のインタビューなどを検索すれば、すぐに分かります。

また、アーティストらしく独特な表現をしたり、名言が飛び出すというようなこともありませんでした。

正直、彼女のファンではない人が『ミス アメリカーナ』のだけのためにお金を払う必要は感じません。

ドキュメンタリーというよりも

映画『CATS (キャッツ)』のプロモーション中の写真。本編ではTaylorの猫が出てきたり、猫の服を着ているシーンも多くありました。

本編では、Taylorが自分の気持ちを語るシーンもあります。

ですが、ドキュメントっぽい「現場感」のある状況で、彼女の気持ちが垣間見える場面が少ないです。

多くの人がイメージしているようなドキュメントよりも、インタビューの方が近い印象。

彼女の自宅のどこかか車中で、インタビュアーに淡々と語っているシーンが多いです。

プライベートは?

「Taylorの私生活を見てみたいな」と思っている人もいるのではないでしょうか?

残念ですが、彼女の素を感じるシーンはさほど多くありません。

全体を通して「カメラ回しまーす」と撮っている感じが漂っているんですよね。

Taylorが自ら撮影したのであろうものもありましたが、カメラマンを入れないなら、もっとパーソナルなことを映しても良かったと思います。

密着映像集ではない

そもそも、この作品のために撮影した時間自体が少ないようです。

例えば、日本のドキュメント番組の『情熱大陸』や『プロフェッショナル』では、

「何日間も密着して撮影したんだな」

「カットしたシーンもたくさんあっただろうな」と感じることが多いですよね。

『ミス アメリカーナ』からはそいういった感想は生まれてきません。

Taylorの素を見せることよりも、彼女の「これまでのキャリアのまとめ」要素が強いということもあると思います。

ポジティブにはなれない

これまでのキャリアで、賞賛も批判も浴びてきたTaylor。

世間の反応に翻弄されている様子が本編全体で描かれています。

彼女は終始悩んでいます。

状況によっては涙を流して嘆いたり、泣きながら訴えたりすることもありました。

ですが、「自分のやりたいようにやる」「批判は気にしないことにする」と決意します。

そこでステップアップし、ポジティブに成長するのかと思いきや…そうじゃないんです。

終盤、MV撮影の舞台裏を映したシーンが出てきます。

カメラチェックの時、Taylorは自分の顔に対しネガティブな発言をしてしまうのです。

監督は「そんなことないよ」とフォローし、彼女をポジティブな言葉で褒めました。

それは彼の本心で、おそらく本当にそうなんだと思います。

ですが、Taylorは納得せず、思い込んでしまっていました。

「人の批判を気にしない」という決意が貫かれることはなく、

終盤で「結局Taylorは変われない」という結論になってしまった印象。

この作品を最後まで観ても「Taylorも頑張ってポジティブになったんだ、自分もそうなろう」という、良い影響を与えてもらうことはできません

こういう人には刺さる!

ここまで読んでみて、「ただのディスり?」と思った方もいたかもしれません。

ですが、すべてを否定するつもりはありません!

私が思うに、人によってはとても響く内容だと思うんです。

なので、『ミス アメリカーナ』を観て楽しめる人についてもお伝えします。

他人からの評価を気にしている人

まさしくTaylorがそういうタイプの人だからです。

このドキュメンタリーの中心は「世間のTaylorへの評価」で、それに対するTaylorのリアクションや反論が描かれています。

彼女は他人からの評価をずっと気にしていて、結局は最後まで悩み続けます。

小学生くらいのTaylor。この頃からずっと人前で歌う生活だったんですね。

あなたが普段生活していて、学校や職場、友人や恋人、家族関係で、

自分の言動が思わぬ批判を招いてしまったことはありませんか?

誰にでもあるはずです。

そして、それがトラウマになり「他人からどう思われているか」を気にし過ぎてしまっている人もいるはずです。

SNSの影響もあり「自分の知らないところで何か言われているのではないか」という不安に陥る人も多いでしょう。

それは、規模は違えど一般人にも海外セレブにも共通して当てはまること。

そんな状況の時にTaylorがどんな風に悩んでいるのか、恐れているのかを知ることで、

自分だけじゃないんだ

「Taylorも一緒なんだ」と気づけるはずです。

世間の声に翻弄されながらも、アーティストとして活躍する彼女が救いになるかもしれません。

誰かに共感したい人

有名になりだした頃のTaylor。まだあどけなさが残っていますね。

『ミス アメリカーナ』の中心にあるものは、もう1つあります。

それは、Taylor自身の「私に共感して欲しい」という想い。

彼女の曲の歌詞は、その多くが自分の体験がベースになっています。

そこには「私にこんな事が起きたの、聞いて」というメッセージが常にあるように感じます。

今より濃いメイクの頃もあったようですね。

今回のドキュメンタリーも一緒です。

誰かの体験を自分のことと重ねたり、一緒に泣いたりすることで自分への理解を深めるタイプの人にはとても響くと思います。

個人的な感想

「読んだから100%面白くなくなる」ということではありませんが、まだ見ていない人にはオススメしません!

愛用コスメはこれ!

本編では、Taylorが移動中にセルフメイクするシーンも!

その時使っていたのが、NARSの「ナーズイスト ウォンテッド」シリーズのチークパレットです。

右上がTaylor愛用のものと同じ商品。

実際にチークを塗っているところは映っていませんでしたが、サイズが大きめなので鏡がわりにしていたようです。

ブランドコスメの中だとNARSはリーズナブルな方ですが、カラーの組み合わせがTaylorのイメージにぴったり

本音は「自分のため」

良い子だと思われたいから、正しいことをしてきた」

私は愛されたくて表に出ているのに」

歓声や拍手を浴びると、不完全な自分を忘れられる」

これらは全て本編中のTaylorの発言です。

私は、彼女の根本的な原動力は「自分のため」というのがあると感じました。

他の言動から彼女の本心を考えても、「誰かのために何かをしたい」という気持ちは感じません。

また彼女の「親切が信条」というのも、根本には「自分が良い子だと思われたい」という意図を感じます。

本当の「良い子」というのは、自分が褒められるためではなく、他の誰か思いやって親切に行動するのではないでしょうか?

実際、数年前に巻き起こっていたTaylorへのヘイトにはそういった指摘もありました。

Taylorは「親切が信念だったのに、散々言われて落ち込んだ」そうですが、

その親切心の根底にあるべきものが間違っているということに気づくべきではないかと思います。

驚愕のサイコパス発言

Taylorが幼馴染のAbigail (アビゲイル)という女性と食事をする場面がありました。

そこで彼女は驚くべき発言をしたのです。

Taylorは、Abigailに出産した友達に会いに行った時のエピソードを話します。

友達に「赤ちゃんは、ミルク、おむつ、寝かしつけの繰り返しよ」と聞いたTaylorは、

たまごっちみたい」

と、つい言ったと笑いながら話していました。

驚愕です。

これが苦労して子育てしている人に言うことでしょうか??

悪気ない様子で発言し、そのシーンを作品に入れてしまう所が怖いです。

お腹を痛めて産んだ赤ちゃんと、ゲームを一緒にする言葉なんて、普通は冗談でも言いませんよね。

もし私がその友人の立場やその家族なら、腹立たしいし、悲しい気持ちになると思います。

自分が結婚や出産を経験していなくて理解できないのであれば、もっと寄り添った言動をとるべきです。

それよりも前に、「もう29になるけど子供はまだ早い、そんな覚悟はない

私は2年先まで予定が決まっているから、ムリなの」と語るシーンがありました。

彼女には2016年頃からの彼氏がいます。

「一緒に幸せな家庭を作りたいけど、仕事を優先しないと」という気持ちを示唆。

結婚や出産をした友人が羨ましい部分もあったのでしょう。

Taylorへのイメージが変わった一言でした。